女性の活躍支援~若年出産者への支援と性に関する教育~

2019年9月議会

(1)出生数と人工死産率

(2)望まない妊娠に対する取組み

(3)若年出産者の支援

(4)学校現場における性に関する教育

【背景】

女性の活躍と妊娠は切り離せないものであると認識しています。仕事との関係でキャリアをあきらめることがあります。若年者であれば学業をあきらめることもあります。女性のみが負担を負うことも多々あります。誰もが活躍できる社会にするためには,男性が妊娠について理解し,大人がしっかりとサポートできる環境をつくってあげることがひつようではないかと考えます。高校で勤務しているときに,生徒が妊娠するということがありました。高校においては,性に関する教育として助産師さんに講演をしていただいたりなど,現場の方から直接教育を行っていただいているところですが,毎年同じテーマで実施しているわけではありません。厚生労働省の人口動態統計によると,2017年度には9898人が10代で母親となっております。また,15歳未満で218人が中絶している実態があるようです。性に関する教育については賛否ありますが,全国でこのような現状があるようですので,高校からでなく,義務教育期間でも性に関する教育が必要ではないかと考えるところです。

(1)出生数と人工死産率について

【質問】

質問します。本市の出生数と人工死産率についてどう変化してきているのでしょうか。

【答弁】

都城保健所業務概要によると,本市の平成29年度の出生数は1,405人,また妊娠満12週以後に人工妊娠中絶した人工死産率については,出産数1,000に対して12.5となっています。ここ数年の傾向は,出生数及び人工死産率ともに減少傾向となっています。

【質問】

質問します。10代の妊娠による出生数と人工妊娠中絶数の現状はどうなっているのでしょうか。

【答弁】

平成28年度の厚生労働省人口動態統計によると,全国ですべての出生数97万6千978人のうち10代の妊娠による出生数は,1万1千95人,宮崎県衛生統計年報によると県内の全ての出生数8,929人のうち10代は156人,本市が全ての出生数1,435人のうち10代が36人となっています。また,平成28年度の厚生労働省衛生行政報告例によると,10代の人工妊娠中絶数につきましては,全国で全ての人工中絶数16万8千15件のうち10代の人工妊娠中絶数は1万4千666件,宮崎県衛生統計年報によると県内の全てのの人工妊娠中絶数1,427件のうち10代は117件となっています。なお,市町村の数値につきましては,県が各医療機関からの報告で集計していることから,市町村単位では集計されていません。

(2)望まない妊娠に対する取組みについて

【質問】

答弁ではH28年度の数値でしたが,10代の出生数と人工妊娠中絶数は同程度いることが判断できます。また,H29年度には全国で出産数が946,065人で,中絶数は164,621人となっており,約15%が中絶を選択している現状があります。その多くは望まない妊娠であったと考えられますし,高校生の段階で妊娠をしたいと考えている生徒はほとんどいません。望まない妊娠であっても命がおなかの中に宿れば,ものすごく悩み中絶を選択されてのではないかと考えます。中には,おなかの中の赤ちゃんと一緒に自殺を考えたという方もおられます。このような苦しい思いをさせないためにまずは,望まない妊娠はしないことが必要になってきます。

質問します。本市として望まない妊娠に対してどのような取組みをしているのでしょうか。

【答弁】

小・中学校からの依頼で,発達段階に応じた内容で性に関する教育を実施しています。内容については,こども課の保健師が養護教諭と事前協議しています。また,宮崎県助産師会においても,からだの変化や妊娠の成立,避妊など,出産の現場を知る専門職として,命の大切さについての講話を実施しています。

(3)若年出産者の支援について

【質問】

10代であれば,経済面や精神面で不安を抱えながら出産をされている方がいます。家族を中心に周りの大人の理解や協力など環境が大切になってきます。16歳で産んだというかたを何人か知っていますが,仕事と育児を頑張っておられました。中にはシングルで大学まで出された方もいます。このように,本人が望めば育て,生きていける都城であって欲しいと考えます。

質問します。若年出産者の支援としてどのようなことをされているのでしょうか。

【答弁】

平成30年4月,中心市街地に都城市保健センターを移設すると同時に,助産師の資格を有する母子保健コーディネーターを2名配置し,子育て支援包括支援センターの機能を追加しました。保健センターでは,母子健康手帳交付の際に,すべての妊婦に家庭環境や身体状況等を確認し,母子保健コーディネーターを中心に,妊婦期から子育て期まで切れ目のない支援を実施している。特に,若年妊娠に関しては,早期に支援を必要とするので,各地区担当の保健師と情報を共有するとともに,各関係機関・各関係課と連携し,安心して出産・子育てができるよう支援している。

(4)学校現場における性に関する教育について

【質問】

女性は生理がきてから妊娠ということと向き合わなければいけません。早い子どもは小学校高学年から生理があります。しかしながら,保護者はどこまで話をしていいのかがわからない状況です。特にシングルファーザーで女の子を育てている親からすると非常に悩むところです。また,日本性教育協会の発表によると,性交経験率は中学生男子3.7%,中学生女子4.5%というデータもあるそうです。

質問します。性に関する教育のなかで,妊娠についてどのような教育をされているのでしょうか。

【答弁】

妊娠については,保健学習において,性に関する正しい知識を理解させ,適切な対処方法を教える中で主に取り扱っています。例えば,小学校中学年では,思春期になると次第に大人の体に近づき,女子には月経が始まることを学習します。中学校では,月経が始まれば,妊娠が可能になることや性感染症の予防について学習します。また,学級活動において,小学校低学年の「わたしのたんじょう」という題材や小学校中学年の「命のはじまり」という題材などで妊娠を関連的に取り扱う内容もあり,妊娠は命を育む尊いものであることに気付かせるようにしています。

【提言】

SNSで事件に巻き込まれたり,虐待にあったりなど,学校の指導だけではどうしても限界があるところです。10代の子どもを持つ家庭への情報提供や性に関する対話の場が必要な時代に入ってきていると考えます。また,もしものために,緊急避妊薬の存在も親としては当然知っておかなければならない情報の1つであり,10代の子どもも知っておいて損はないかと考えます。出産という視点で考えれば,人生の中の経過点ですが,誕生という視点で考えれば人生の始まりです。切れ目のない支援,特にはじまりの支援は大切です。同僚議員の質問でもありました不妊治療と共に,女性が活躍できるよう妊娠や出産の支援を継続的行うよう提言してこの質問を終わります。

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