外国人の共生支援~言語表示と研修~

2019年6月議会

(1)外国人の本市の状況

(2)外国人の対応

(3)外国人に関する課題

(4)外国人の語学研修

【背景】

次に外国人の状況について伺って参ります。総務省では,地方自治体における多文化共生の取組に参考となる考え方を示した「地域における多文化共生推進プラン」を2006年3月に策定し,地方自治体へ通知しております。その後,多くの自治体では,プランをモデルに多文化共生の指針等を策定したようです。プラン策定から10年が経過し,日本における外国人を取り巻く状況も様々に変化しております。本市の外国籍住民の数は,平成30年末時点で,1319人となっており,平成28年末と比較して約350人増加しております。特にベトナム人が増加しており,平成30年末で477人の方がおられます。また,技能実習生は799人という状況になっています。このように都城にも国際化の波が少しずつですが,確実にやってきているのです。

(1)外国人の本市の状況について

【質問】

質問します。外国人労働者の業種別の人数はどのようになっているのでしょうか。

【答弁】

宮崎労働局が毎年1回発表しているデータによりますと,平成30年10月末時点で,都城公共職業安定所管内の外国人労働者は,全産業で988人となっております。業種別にみますと,人数が多い順に,製造業が536人,建設業が66人,卸売業・小売業が54人という状況でございます。

【質問】

質問します。本市を訪れるインバウンドの人数はどうなっているのでしょうか?

【答弁】

平成30年の外国人観光客入込数につきましては,2万9千724人,外国人宿泊客数につきましては,9314人となっており,年々増加傾向にあります。

(2)外国人の対応について

【質問】

本市で生活されている外国人は増加傾向にあり,その中でもベトナム人が多く,業種としては,製造業が多いということでした。また,インバウンドの数も想像以上に増加しているようです。

質問します。外国人観光客の対応としては,どのようなことをしているのでしょうか?

【答弁】

観光客への対応としましては,都城島津邸に多言語看板を設置しており,本市の主要な観光地である関之尾の滝に設置している看板には,スマートフォンからQRコードを読み取り,多言語による案内ができるようになっております。また,平成30年度には,観光パンフレットとして,英語版,中国版,韓国版をそれぞれ制作し,市内の観光施設やホテル等に配布しております。

【質問】

質問します。災害時の外国人への対応としては,どのようなことをしているのでしょうか?

【答弁】

日本語によるコミュニケーションが困難である外国人観光客等については,避難所の表示板に言語に制限されず視覚的に表現するピクトグラムの使用や災害時の外国人支援多言語表示シートの整備,外国人に配慮した運営ができるよう避難所運営マニュアルを随時改訂するなどして,災害時に対応できるようにしております。また,外国人への避難情報の伝達につきましては,市のホームページにおいて英語と中国語で情報提供を行っているほか,外国人向け情報提供手段として,市のホームページに災害情報提供アプリSafety Tipsについて載せているところです。

【質問】

Safety Tipsは訪日外国人に災害情報を提供することを目的として,災害時に必要な情報を日本語,英語,韓国語,中国語の5言語で提供するアプリです。

質問します。生活している外国人の方への対応としては,どのようなことをしているのでしょうか?

【答弁】

本市では,都城市と三股町が支援して設立した都城国際交流協会と連携して,外国人市民の安全・安心な暮らしをサポートする活動を行っております。具体的には,市や都城国際交流協会が開設しているホームページで,外国人市民に対し,英語及び中国語による市政情報を発信するとともに,本市が毎月発行している,休日急病診療機関等を掲載した「暮らしの情報」を英訳し,生活関連情報として提供するなどの取組を行っております。同様に,都城国際交流協会でも,毎月,独自に情報誌を発刊し,会員相互の交流を促進しているところであります。また,外国人市民が安心して暮らせるように,日本語学習支援や防災・生活安全に関する講習会なども実施しております。

【質問】

在住している方,来日している方,緊急時とそれぞれで対応されていることは,わかりました。災害時に外国人は情報弱者になりがちです。本市にも様々な国から外国人がきており,すべての外国語表記への対応は難しいのではないでしょうか。自動化翻訳のアプリもありますが,誤訳の可能性もあります。そこで,阪神淡路大震災をきっかけに「やさしい日本語」が被害情報を「迅速に」「正確に」そして「簡潔に」外国人被災者に伝える目的で,弘前大学から提案されています。このやさしい日本語は,わかりやすい簡単な言葉を使い,文を短い構造にし,読み仮名を付けるなど,一定の原則があります。このやさしい日本語が日本に暮らす外国人への情報伝達手段として広がりをみせており,鹿児島市などでもホームページで採用しています。

質問します。本市での「やさしい日本語」表記の対応はあるのでしょうか?

【答弁】

「やさしい日本語」とは,例えば,「避難所」ではなく「みんなが逃げるところ」であったり,「有料・無料」については「お金がいる,いらない」というような,単語を噛み砕いて,外国人市民にもよく理解できるような日本語で表記することであります。外国人市民の転入時に市が配布している生活ガイドは,英語,中国語及びモンゴル語で作成しており,それぞれに,やさしい日本語を併記するよう努めております。

(3)外国人に関する課題について

【質問】

質問します。外国人が日本社会の一員として日本国民と共生する上で,本市が抱える課題にはどのようなものがあるのでしょうか?

【答弁】

本市では,平成30年度に「第2次都城市国際化推進プラン」を策定するに当たり,平成29年6月に外国人市民アンケートを実施いたしました。このアンケート結果によりますと,都城市での生活に不足していると感じているものの上位3つは,第1位が「日本文化や習慣がわかるイベントがすくないこと」,第2位は「生活情報の多言語・フリガナ表示,日本語と外国語を併記した看板がすくないこと」という結果でありました。これらの結果を踏まえますと,本市での暮らしに役立つ,分かりやすい情報提供のあり方や,日本語学習支援が課題であると考えております。

【質問】

質問します。それらの課題への対応はどのように検討されているのでしょうか?

【答弁】

外国人市民が,市民とともに,よりいきいきと安全に,安心してくらせるようになるためには,様々な生活文化を育み,共生できる社会づくりが必要であると考えます。そのためには,課題を踏まえて,まずは,相互に理解できる環境づくりが重要であることから,生活に必要な日本語学習の支援や,多言語またはやさしい日本語による生活安全や防災情報の提供などに取り組んでおります。一例を挙げますと,これまで,英語と中国語でゴミ出しカレンダーを作成してきておりましたが,今年度は,モンゴル国籍やベトナム国籍の外国人の急増を受けて,それらの言語に対応した新しいゴミ出しカレンダーみ作成したところであります。

【提言】

アンケートで課題を捉え,やさしい日本語への対応や日本語学習支援,また,増加してきてるベトナム人等への配慮もあり,安心した次第です。是非広げていただきたいと考えます。

(4)外国人の語学研修について

【質問】

ある外国人が体調が悪く病院に行ったのですが,うまく症状を伝えることができなかったということです。この方は,妊娠しており,それが原因かはわかりませんが,流産をしたそうです。そのとき彼女はしっかり日本語で伝えることができなければと思ったそうです。そして,宮崎市内の方までバスを利用し,日本語の学習をしに行ったと聞いています。このように,日本で生活する外国人が,安定して,就労し,暮らしていくためには,日本語の習得が不可欠で,円滑に日本社会の一員として生活を送ることができるよう,日本語教育を総合的に推進することが必要ではないでしょうか。本市でも日本語研修をしているとの答弁でしたが,周知等不十分であることが考えられます。

質問します。マナーや語学などの研修の状況はどうなっているのでしょうか?

【答弁】

本市では,外国人市民の方を対象とした「生活安全交流会」を開催しており,ごみの出し方や交通ルールのほか,災害時の備えなどの情報を提供しております。語学研修につきましては,今年度は,日本語をほとんど習得されていない外国人市民を対象として「日本語講座」の開催を予定しております。また,都城国際交流協会におきましては,ボランティアで日本語を外国人市民に教える「日本語練習会」毎週金曜日と第2・第4の日曜日に都城市コミュニティセンターで開催しているところであります。

【提言】

外国人に日本語学習の機会を提供し,日本語習得を促すよう周知していただきたいと考えます。また,NPO法人や国際交流協会が運営する日本語教室はボランティアによって運営されていることも多く,底上げのための支援も必要ではないかと考えます。また,技能実習生が都城を好きになってくれれば,期間が終了して帰国しても,都城を広くPRしてくれ,次に繋がると考えられます。実際にALTの先生を家に呼んだことがあり,餅つき体験,ゆかたの試着,ひな祭りなど季節に応じた日本を味わってもらったことがあります。その方は,ALTの期間が終わっても,再度来日し,日本で子どもを産み生活されています。外国人を雇う側の意識情勢も必要ではないかと考えます。

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